IHIステージアラウンド東京、『劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season花

2017年4月12日、何かと話題の豊洲の新劇場、IHIステージアラウンド東京の杮落とし公演、劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season花に行ってきました。座席のご案内はいただきましたが、勿論、自分でチケット代1万3千円を払いました。その価値は十分にありました。3月末に観た『死の舞踏』と『令嬢ジュリー』は合わせて約1万6千円でしたが、それよりも遥かに商品価値のある公演でした。当日は、二コマの講義を終えて、日吉キャンパスから電車とバスを乗り継ぎ約1時間、少し早めに行って何か食べようと思っていたのですが、劇場の周りは何もない空き地です。本当に原っぱなのです。新感線のスタッフが「本当はもっといろいろ出来ているはずだったのですけどね・・・」と言っていましたが、こういう所にも政治行政の不手際のしわ寄せがきているのだなと感じました。唯一の屋台でフライドポテトを買いベンチで風に吹かれながら開場を待ちました。
 360度シアターという触れ込みです。今回は座席は動きましたが、360度回ったわけではありません。【訂正です。360度回っていたそうです。私は本来車に弱く回転に敏感ですが、そうは感じないほどスムーズでした】しかし、舞台は大スクリーンと半周形の回廊で場面の変化をとてもよく出していました。たとえば人が動く場面などは、大スクリーンの動画を背景にして、座席が逆方向に動くのですが、そうすると人が走っている現実感が強く出ます。舞踏の奥行きもあり、一つ一つの場面がしっかりと立体感のある劇世界になっていました。
 この劇場に新感線の芝居作りが良くあっていました。物語は、秀吉軍に歯向い再び乱世に戻そうとする天魔王(髑髏城)と、かつて信長に共に仕えた捨之介/小栗旬と無界屋蘭兵衛/山本耕史を中心とする無頼の若者たちとの葛藤です。隆慶一郎風の戦国を舞台にした伝奇ものですが、殺陣をふんだんに取り入れ、笑いを入れつつアイドル俳優たちの魅力を引き出そうとする演出の徹底性は大したもので、特に、小栗、山本、古田新太などがそれに十分応えていました。決して安くなく、行きにくい劇場を若い女性たちを中心にして満杯にするコンテンツを十分に持っていると感じました。やはり大金を出す客の選択は確かだと思います。
 こういう演劇を見ていると、前記のストリンドベリの公演などはやはり「文学」を見ていたのだなあと思います。そしてこの種のものにはかろうじて文学の力だけで支えられていると感じる公演が圧倒的に多いのです。その点、新感線は演劇パーフォーマンスをベースにしたイベントとして十分楽しめました。僕は、職業上の必要を抜きにして、どちらかを選べと言われたら迷わず新感線を選びます。俳優たちの訓練、制作の緊張感が圧倒的に違うのです。新学期の忙しい時期でしたが、リフレッシュしました。劇場に付随しなければいけない食事やベンチなどの貧弱さについては一目瞭然なので触れませんが、まだ何もない豊洲を見られたことも個人的には良い経験でした。次も行きたいと思っています。

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